押し引きの基準


さて、前回で押し引きの判断要素を挙げました。
実際に押すか、引くかを例題で考えてみます。

例1

見た瞬間「リーチ」と発声したくなる手牌ですが、 まずはこのくらい極端な例からいきましょう。

【あがりやすさ】好形リャンメンテンパイである

【打点】リーチをかければ11600点で十分な打点がある

【牌の危険度】發は大した危険牌ではない

【オリの成功率】安全牌はしかない

どの判断材料をとってみても、押さない理由はありません。 文句なしに追いかけリーチで勝負するべきです。


例2

次は明らかに引くべき例です。

【あがりやすさ】リャンシャンテンで愚形残り、仕掛けもきかないこの巡であがりきる確率はかなり低い

【打点】リーチドラ1、うまくいってピンフといまひとつ

【牌の危険度】一番不要な牌はだが、危険度はそれなりに高い

【オリの成功率】の2枚現物がある他、の安全度が高く十分オリれる

他に自分はトップ目で相手がラス目という状況もあります。 ここまで条件が揃っているのですから、粘る必要もないでしょう。 追いかけリーチも用心して8sから切り出し、共通安全牌の9sは次巡以降に切るのが手順です。

ここまで分かりやすい状況ばかりならいいのですが、 実際には押す要素と引く要素があるため判断に困る場面の方が多いでしょう。


例3

【あがりやすさ】イーシャンテンで受け入れはやや少ない

【打点】メンピンドラ1~ドラ3で十分

【牌の危険度】通っていない筋は多いがも危険牌

【オリの成功率】現物2枚、筋が1枚なのでオリきれる見込みがある

基本の判断材料以外に、南場でトップ目がリーチしているので トップを取るために勝負したくなる状況かと思います。

こういった場面で迷いを減らし、安定した押し引きをするためには ひとつ柱となる判断材料を持つことが重要です。

このサイトでは「自分の手のシャンテン数」をベースに判断することを推奨します。 具体的には、「リーチに押すならテンパイしていること」が基本です。 「イーシャンテンなら1枚押しまで」という覚え方でもいいでしょう。

なぜイーシャンテン以下で勝負してはいけないか?

自分がテンパイするまでは点棒を得る機会がありません。 勝負しても次にテンパイできるとは限らず、また危険牌が来るかもしれない。 テンパイしていないのに危険牌を切ることは相手にチャンスを与えるだけになりかねません。

ドラドラのイーシャンテンも、テンパイしていればこそ打点が活きてきます。 例3の結論として、このくらいの受け入れのイーシャンテンでは2枚押すのは不利。 オリるのがベターだと思います。

セオリー

押し引きはシャンテン数をベースにするのが主流。 テンパイなら押す、イーシャンテンなら1枚勝負まで、リシャンシャンテン以下はベタオリが基本。

押し引きをパターン化することは非常に難しいので、 次項からは特に系統化はせず、赤アリ麻雀での実戦例で「押すか引くか」を考えていきます。


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