染め手(1)


染め手、特にホンイツは大変重要な役です。
メンゼンで3翻、鳴いても2翻あるのに簡単に作ることができます。
点数面でこれほど優遇されている役はありません。
警戒されやすいという欠点はありますが、積極的に狙うべきでしょう。
手材料があれば配牌から狙っても良い、数少ない手役です。

この回では手牌から染め手を狙うべきかどうかを考えます。

手牌以外の判断要素として

・場況
・巡目
・持ち点

の3つが挙げられますが、
今回は状況は点数の動きのあまりない東場の序盤(いわゆるヒラバ)を想定し、
手牌のみで判断することにします。


例1  ツモ  ドラ

ソーズが11枚もあり、形も申し分ありません。

端牌 がトイツで までつながっているので
「チンイツをやってください」といわんばかりの手です。
余程終盤でない限り、チンイツに向かいます。

将来の危険度を考え、 から切りましょう。

ツモでの両面手代わりを想定し から切るのが通常の切り順ですが、
この形ならマンズの両面ですら不要です。


例2  ツモ  ドラ

枚数が10枚以上あったらいつでも染めて良い、というものではありません。
例2はピンズが10枚ありますが、

素直に を切るべきです。

この手はピンフでリーチを狙う手で、
ツモ次第でタンヤオ・三色・一通などがついてきます。
染めなくても十分な手を無理に染める必要はありません。

染まりそうだから染める、
そういう感覚で打つのは危険です。
出来面子を壊すような、強引な染め手は基本的にはNGとなります。

セオリー・まとめ

染めなくてよい手を強引に染めない。
一面子落としは基本的に御法度。


例3  ツモ  ドラ

しかし、例外があるのが麻雀の常です。
例3のように染めると打点が大幅にUPし、
かつあがりやすい形であれば思い切ってピンズの面子を崩してよいでしょう。
ただしこれは数少ない例外であり、
ヒラバで一面子落としてまで染めるべき手牌はほとんどありません。


例4

 ツモ  ドラ

役牌トイツが2つあれば、どれかの色に寄せて満貫を狙うべき。
例4はドラ入りターツがありますが、もちろんソーズのホンイツを狙います

ただし注意点があります。

初心者にはドラ から切り出す人が多く見受けられますが、
これはやりすぎです。

ホンイツの欠点はバレやすいこと。
カンチャンをドラから落とせば
他家からみてソーズのホンイツがほぼ確定となり、さすがに警戒されます。

せっかく良い手が入っているのですから

普通に から切って目立たない捨て牌にし、少しでもアガリやすくします。

染め手が本線とはいっても、この後すぐ を引くこともありますからね。

セオリー・まとめ

役牌トイツが2つあれば
できるだけ染めて満貫狙い


例5  ツモ  ドラ

はオタ風とします。

はっきり言ってクズ手ですが、私ならソーズのホンイツ狙いで

あたりから切り出します。
どうせ手なりで打ってもアガれません。

かなり遠いホンイツ狙いで、オリる可能性が高いときは
あえて真ん中から切り出して相手を警戒させつつ守りを固めるのも一つの手です。

ブラフ効果的には鳴いた方がより注目を集めますが
守備を考えれば鳴くべきではないでしょう。

相手の手が並以上なら普通に手を進められます。
麻雀においてブラフの効果はそれほど高くはないのです。

が重ならない限り、アガりにはいかない方針が良いと思います。

初心者は1枚目でも をポンするでしょうが、
この手はそうアガれる手ではないことを気付いていかなくてはいけません。

「別にこの手でアガなくても構わない」そんな余裕を持つことが大切です。

セオリー・まとめ

苦しいホンシツ狙いは守備重視。
アガリが見えるまで無理に鳴かない。


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