イーシャンテンの牌理(5)


前回に続き、ノーヘッド形の検証を行います。

「ターツ+ターツ」にすれば最も手広いことは分かってもらえたと思います。
では、例1のようにターツが1つしかない場合はどうでしょうか。

例1 ツモ

  テンパイチャンス 受け入れ枚数
切り 20枚
切り 21枚
切り 21枚

ご覧の通り、全くと言って良いほど差がありません。

それでも 引きテンパイは唯一ピンフになりますし、
待ちは  よりも優秀ですから残すべきです。

切りは明らかに劣るということで除外してよいでしょう。

では、切りと切りはどちらが優秀なのか。
受け入れ枚数が同じであれば、「好形変化」の差をみるのが基本です。

内側の を残した場合、変化Aや変化Bのような変化が望めます
亜両面形は内側を残した方が有利だということです。

変化A  (10種33枚)

変化B  (9種29枚)

例2 ツモ

ノーヘッド形においては、好形変化はかなり重要な要素となります。

例2のような形から  を切ってしまう人のなんと多いことでしょう。
現状の1枚差は大した問題ではなく、マンズの連続形から
「ターツ」+「ターツ」を作りにいく発想がなければいけません。

例2で を切った場合の受け入れは 5種17枚。
変化Aや変化Bへの変化を逃すことがどれだけ痛いか分かるでしょうか。

変化A (10種33枚)

変化B (9種29枚)


例3  ツモ

これまでテンパイチャンスを最優先で考えて来ましたが、
最終的な待ちの良さもある程度は考慮する必要があります。

  テンパイチャンス 受け入れ枚数
切り 23枚
切り 25枚

「ターツ」+「ターツ」形の受け入れの広さは絶対的と言ってもよく、
こんな四面張があったとしてもまだ2枚多いという結果になりました。

しかしペン は苦しい待ちですから、

さすがに を落とす方がアガリまでのスピードは速くなります。


例4  ツモ

例4ともなれば微妙な選択です。

  テンパイチャンス 受け入れ枚数
切り 31枚
切り 24枚

かならず両面以上でテンパイできるという のが 切りの強みですが、
私は早くテンパイできる(ことが多い) 切りの方が得だと思います


例5 ツモ

  テンパイチャンス 受け入れ枚数
切り 28枚
切り 28枚

最後に、「五面張形残し」と「両面ターツ×2」の比較をしましょう。
テンパイチャンスでは互角ですが、
リーチ時の待ちが五面張が残ることがある分、

例5は   のどちらかを外す方が優秀です。
ピンフテンパイになる受け入れも1種多い。

セオリー・まとめ

基本は受け入れ枚数の比較だが、枚数に差がほとんどない場合は「テンパイ時の待ち」「好形変化」を加味する必要がある。


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